大規模サイトとは？注意すべきポイントやSEO対策を解説

大規模サイトとは、ページやコンテンツの数が多いWebサイトを指します。ECサイトや口コミサイトなど、多種多様な分野で利用されています。

近年、大規模サイトが検索エンジン上で上位表示されるための、効果的なSEO対策がますます重要視されています。しかし、大規模サイトでは、膨大なコンテンツを効率的に最適化することが難しく、内部リンク構造の整備やキーワード戦略の設定、ページ速度の改善などの課題に直面することが多い傾向です。

この記事では、大規模サイトについての基礎知識から、SEOにおいて効果的な対策を解説します。最後までご覧いただくことで、大規模サイトの運営者が抱える疑問や悩みを解消するためのヒントになるでしょう。

この記事の著者

Web集客コンサルタント

川口凌

かわぐちりょう

詳しいプロフィール

執筆者

SNS集客2年、SEO集客3年経験。 現在は、WINDOM株式会社で士業領域のSEO集客、そのほかさまざまなジャンルのSEOコンサルティングを担当。士業領域の集客なら川口にお任せ！結果が出るまで諦めずPDCAを回すがモットー

大規模サイトとは、コンテンツ量が数千から数百万ページ以上のWebサイトを指します。大規模サイトは、ECサイトや求人サイト、口コミサイト、比較サイト、不動産サイトなどの幅広いジャンルで存在します。

大規模サイトの特徴は、膨大なデータ量や複雑な内部リンク構造、多様なユーザー層などです。規模が大きく、SEO対策が他のサイト以上に重要となります。

例えば、検索エンジンがサイト内のすべてのページを適切に登録できるようにする必要があり、技術的なSEO対策が不可欠です。また、大規模サイトは、ページ速度の改善やモバイル対応、ユーザー体験（UX）の向上への対応も求められます。

大規模サイトの定義

大規模サイトの定義は、以下の通りです。

大規模サイトにはECサイトや求人サイトなどの種類があり、Amazonや楽天など、聞き馴染みのある企業が運営しているサイトの多くが大規模サイトにあたります。

大規模サイトと中・小規模サイトの比較

大規模サイトの他にも、中・小規模サイトがあります。中・小規模サイトは大規模サイトとは違い、誰もが知っているような会社が運営しているサイトではなく、企業のコーポレートサイトや専門情報サイトなどのシンプルな構造のサイトです。

大規模サイトと中・小規模サイトの違いは以下の通りです。

大規模サイトも中・小規模サイトもそれぞれの良さがあるため、大規模サイトの種類を知り、目的に合わせて運用することが大切です。

大規模サイトの主な6つの種類は以下の通りです。

大規模サイトには、種類があり、Amazonや楽天などの私たちが聞き馴染みのあるサイトも大規模サイトに含まれます。

この見出しを見れば、大規模サイトの主な種類を理解でき、大規模サイトについての知識が深まります。

ECサイト

ECサイトは、オンラインで商品やサービスを販売するプラットフォームとして、多くの企業やブランドが利用しています。具体的には、「Amazon」や「楽天」などが有名です。

ECサイトは、商品ページやカテゴリーページ、ユーザーレビューのページなど膨大な数のページが存在するため、SEO対策が非常に重要です。

大規模サイトのSEOにおいては、キーワード検索を通じて適切な検索語句を選定し、各ページのタイトルタグやメタディスクリプションに反映することが基本です。

また、内部リンクを活用してサイト内の回遊を増やすことで、検索エンジンに評価されやすくなります。

内部リンクを活用して、サイト内の回遊を増やすことで、検索エンジンから評価されやすくなる

口コミサイト

口コミサイトは、ユーザーが製品やサービスについての体験を共有するためのプラットフォームです。具体的には、「食べログ」や「ホットペッパー」などが有名です。

口コミサイトは、ユーザー生成コンテンツが多いため、SEO対策として情報を整理し、構造化データを用いることが推奨されます。

大規模サイトのSEOにおいては、口コミの信頼性を高めるために、レビューの質を保ちながら、カテゴリーやタグ付けを工夫して検索エンジンに正確に理解させることが重要です。

また、検索キーワードに対応したページを作成し、ユーザーが必要な情報を見つけやすくする工夫も必要です。

信頼性の高い口コミサイトは、被リンクを獲得しやすく、SEO効果をさらに高めることができます。

カテゴリーやタグ付け、検索キーワードに対応したページの作成で、被リンクを獲得する

求人サイト

求人サイトは、企業と求職者を結びつける重要な役割を果たします。具体的には、「マイナビ転職」や「リクナビNEXT」などが有名です。

求人サイトは、地域や職種、給与条件などの多様な情報を検索可能な形式で提供する必要があります。

大規模サイトのSEOにおいては、検索エンジンとユーザーの両方にわかりやすい情報構造を構築することが重要です。

例えば、各求人情報ページに適切なタイトルや概要を入れ、ターゲットとなるキーワードを自然に含めることで検索結果での露出を増やせます。

適切なキーワードを盛り込んだタイトルや概要を入れ、検索結果での露出を増やす

比較サイト

比較サイトは、商品の特徴や価格、サービス内容などを一目で比較できる利便性が特徴の大規模サイトです。具体的には、「価格.com」や「保険市場」などが有名です。

大規模サイトのSEOにおいては、ユーザーが求める具体的なキーワードを盛り込んだコンテンツ作成が求められます。

例えば、「〇〇比較」や「〇〇料金」といった検索意図を満たすページを構築することが重要です。

ユーザーに役立つランキングや詳細なレビュー、価格の明確な比較表を提示することで、信頼性を高め、サイトのアクセス数を獲得できます。

ユーザーに役立つデータの比較により、信頼性を高め、アクセス数を増やす

不動産サイト

不動産サイトは、物件情報を中心に、エリアごとの市場データや購入手順についての情報を提供する大規模サイトです。具体的には、「SUUMO（スーモ）」や「アットホーム」などが有名です。

大規模サイトのSEOにおいては、物件名や地域名、価格帯などの検索キーワードを意識したページ作りが重要です。個々の物件ページには、詳細な情報や高画質な写真、地図、関連施設の情報を含めることで、ユーザーの関心を引きつけられます。

信頼性を高めるため、口コミやレビューを追加することも、コンバージョン率の向上に役立ちます。

詳細情報や写真以外にも口コミやレビューを追加することで、ユーザーの関心を引く

旅行サイト

旅行サイトは、観光地、宿泊施設、交通手段、アクティビティなど多岐にわたる情報を網羅した大規模サイトです。具体的には、「じゃらん」や「Expedia（エクスペディア）」などが有名です。

大規模サイトのSEOにおいては、地域名や観光名所、季節に関連するキーワードを取り入れたコンテンツが求められます。

例えば、「〇〇観光スポット」や「〇〇格安ホテル」など、具体的な検索意図に応えるページを作成することが重要です。

また、口コミやレビュー機能を活用することで、ユーザーの関心を引きつけるコンテンツを増やし、SEO効果をさらに高めることができます。写真や動画を含むコンテンツも、ユーザーの興味を引きやすく、サイト全体の価値を高めることに繋がります。

具体的な検索意図に応えるページを作成し、サイト全体の価値を高める

大規模サイトのメリットは、以下の3つです。

大規模サイトは、その規模とコンテンツの多さがSEOにおいて非常に有利です。膨大な情報を提供することにより、ユーザーからのアクセスが増加し、検索エンジンにおける評価が向上することが期待できます。

大規模サイトでは、特定のトピックや幅広いテーマに関する多くのコンテンツを網羅的に提供できるため、検索結果で上位表示される可能性が高くなります。また、サイト内でのリンクのつながりが強化され、SEO効果を最大化することが可能です。

この見出しでは、大規模サイトのメリットについて解説します。

情報の多さによりアクセスが多くなる傾向にある

大規模サイトは、豊富なコンテンツを提供することで、ユーザーに多くの情報を提供することができます。そのため、検索エンジンにおいて高評価を得やすく、アクセス数の増加に繋がります。

具体的には、多様なキーワードで検索される機会が増え、検索エンジンからの流入が増加します。さらに、ユーザーが求める情報を網羅的に提供することで、サイトの信頼性が向上し、訪問者が増えるため、SEO効果がさらに高まります。

大規模サイトを運営することで、アクセス数が自然に増える傾向があり、それがSEOにおいてプラスに働く要因となります。

豊富なコンテンツで、検索エンジンの高評価やアクセス数の増加に繋がる

ドメインが強くなり、上位表示を狙いやすい

大規模サイトは、長期的に運営されることが多いため、ドメインの権威が高くなりやすいという特徴があります。ドメインが強くなると、検索エンジンでの評価が向上し、競合と比較して上位表示されやすくなります。新たに追加するページやコンテンツがより早く検索エンジンに登録され、SEO効果が高まりやすくなります。

特に、質の高いコンテンツを定期的に更新・追加していくことが重要で、これによってさらにドメインの評価が向上し、上位表示を狙いやすいです。

大規模サイトのSEOにおいては、ドメインの強化を積極的に図ることが効果的です。

高品質なコンテンツを定期的に更新・追加することで、ドメインが強くなり、上位表示を狙える

被リンクが集まりやすい

大規模サイトは、コンテンツ量が豊富であるため、外部サイトからの被リンクが集まりやすいという特徴があります。

特に、信頼性の高いコンテンツや有益な情報を提供していると、他のウェブサイトから自然にリンクをもらえることが増えます。被リンクはSEOにおいて非常に重要で、外部からのリンクが多いほど、検索エンジンでの評価が高くなり、上位表示の可能性が高まります。

大規模サイトの場合、質の高いコンテンツを提供することで、被リンクを集めやすくなり、SEO効果を高める一つの要因になります。

高品質なコンテンツと有益情報の提供で、被リンクを集める

大規模サイトのデメリットは、以下の3つです。

大規模サイトは多くのメリットがありますが、その反面、SEOにおいていくつかのデメリットも存在します。

特に、コンテンツの質の維持、サイト構造の複雑化、運営にかかるコストの増加は大規模サイトを運営する上で避けて通れない問題です。問題を放置すると、SEO効果が十分に発揮されなくなり、サイト全体のパフォーマンスが低下する可能性があります。

この見出しでは、大規模サイトのデメリットについて詳しく解説し、対策方法をご紹介します。

コンテンツの質を保つのが難しい

大規模サイトでは、コンテンツやページ数が豊富にあるため、コンテンツの質を保つのが難しい傾向にあります。

特に、運営を続けるうちに更新頻度が低くなったり、手抜きが発生したりする可能性があり、古い情報が出てくるとSEOに悪影響を与える原因になります。質の低いコンテンツがサイトに混在すると、検索エンジンの評価が下がり、順位が低下するリスクがあります。

大規模サイトで質を保つためには、コンテンツ制作のプロセスを厳密に管理し、定期的に既存コンテンツの更新や改善を行うことが不可欠です。

長期的な運用のため、更新頻度の低下や手抜きが発生しやすくなる

サイト構造が複雑になりやすい

大規模サイトは、ページ数が増えるため、サイト構造が複雑になりやすい傾向にあります。

複雑なサイト構造は、検索エンジンのクローラーがサイトを正しくクロールできなくなる原因になり、SEOの効果が低下する可能性があります。また、ユーザーも複雑な構造に困惑し、サイトが使いにくくなることがあります。

大規模サイトのサイト構造を最適化することは非常に重要で、論理的でわかりやすい情報の整理が求められます。

カテゴリ分けや階層構造を工夫し、重要なページには必ずリンクを付けることが、SEO効果を最大化するためのポイントです。また、サイト全体のURL構造も整っていることが、検索エンジンに対する信頼性を高めるためには欠かせません。

ページ数やコンテンツの量が多く、サイト構造が複雑になりやすい

コストが高額になる

大規模サイトの運営には、コンテンツ制作やサイト運営の管理、さらにはSEO対策にかかるコストが非常に高額になることがあります。

特に、ページやコンテンツの数が増えれば増えただけ、デザインや開発、コンテンツの更新にかかる費用が膨らむため、予算の管理が重要です。また、SEOにも継続的な情報の更新が必要であり、専門のSEO担当者を雇ったり、プロに依頼することも必要になります。

大規模サイトの運営にかかるコストは、サイトの規模が大きくなるほど増加するため、十分な予算を確保することが必要です。コストを抑えつつ効率的にSEO効果を上げるためには、適切なツールの導入やプロセスの見直しを行い、効率化を図ることが求められます。

コンテンツの制作や管理、SEO対策によりコストが高額になる

大規模サイトのSEOは、規模が大きいがゆえに効果的なアプローチが必要です。しかし、間違ったSEO対策を行うと、サイト全体のSEOパフォーマンスが低下し、せっかくの努力が無駄になってしまうこともあります

ここでは、大規模サイトのSEO効果を高めるために避けるべきポイントと対策方法を解説します。

不適切なキーワードの詰め込み

大規模サイトにおいて、SEO効果を最大化したいがために、ページに関連性のないキーワードを過剰に詰め込むことがあります。これを「キーワードスタッフィング」と言います。検索エンジンは、キーワードスタッフィングをスパム行為とみなし、評価を下げることがあります。

キーワードは適切に、ユーザーにとって有益な内容で自然に盛り込むことが重要です。

重要なページの内部リンクが不足している

大規模サイトでは、ページ数が多くなることで内部リンクの設計が疎かになりがちですが、内部リンクはSEOにおいて非常に重要です。

サイト全体のリンク構造が整っていないと、検索エンジンがサイト内のページを適切にクロールできなくなります。

重要なページへのリンクを適切に配置し、内部リンクを戦略的に設計することが大切です。

モバイルの対応を後回しにする

Googleは「モバイルファーストインデックス」を導入しており、モバイル端末向けのサイト最適化がSEOに大きな影響を与えます。

大規模サイトのPC向けに最適化されたデザインをそのままモバイルに適用し、モバイルの対応を後回しにしてしまうことがありますが、SEOにとっては大きな間違いです。

モバイルファーストを意識し、全てのデバイスに対応したデザインを採用することが基本です。

ページの表示速度を無視する

大規模サイトではコンテンツが多くなるため、ページの読み込み速度が遅くなることがあります。しかし、速度を無視してしまうことはSEOにとって大きな間違いです。

Googleはページ速度をランキング要因として重視しています。表示速度の遅いサイトはユーザーの離脱を招き、検索エンジンからの評価も下がります。

コンテンツの重複を放置する

大規模サイトでは、コンテンツが重複しやすいです。コンテンツの重複は、SEOに悪影響を及ぼすことがあります。Googleは重複コンテンツを低品質とみなすこともあり、検索結果での評価が下がる可能性があります。

重複しているコンテンツを見つけて、適切に修正することが求められます。

低品質な外部リンクに頼る

外部リンクはSEOにおいて重要な要素ですが、質の低いリンクを集めることはSEOを損なう原因となります。特に、大規模サイトではスパム的なリンクや、不正な手段で集めたリンクを使うことは避けるべきです。

高品質な外部リンクを獲得するためには、信頼性の高いサイトからリンクを得ることが重要です。

リンク切れのリンクがある

大規模サイトでは、ページ数が多いためリンク切れが発生しやすく、放置するとSEOに大きな悪影響を与えます。リンク切れは、ユーザー体験を損ねるだけでなく、検索エンジンのクローラーがページを適切にクロールできなくなる原因にもなります。

定期的にリンクのチェックを行い、リンク切れを修正することが必要です。

サイト構造が複雑になっている

大規模サイトでは、ページ数が増えるにつれてサイト構造が複雑になり、検索エンジンがページを正しく評価できないリスクがあります。特に、ユーザーやクローラーが必要な情報にたどり着きにくくなるため、SEOに悪影響を与えます。

簡潔なで使いやすいサイト構造が求められます。

内部リンクを最適化していない

大規模サイトでは、内部リンクが不十分であると検索エンジンが重要なページを見逃すことがあります。内部リンクは、検索エンジンがページ同士を関連づけ、Googleのページランクを効率的に分散させるために非常に重要です。

サイト内で重要なページには、適切な内部リンクを設置し、ユーザーが情報を探しやすいように整理することが必要です。

ここでは、大規模サイトに関連した、よくある質問を解説します。

中・小規模サイトの定義は？

中・小規模サイトの定義については以下の通りです。

小規模サイト

中規模サイト

中規模・小規模サイトは、規模が小さいからこそ柔軟なSEO対策が可能であり、特定のターゲット層に対して効率的にアプローチできるのが強みです。それぞれの特性を理解し、適切なSEO戦略を立てることが成功の鍵です。

サイトの規模別相場は？

サイト規模別の目安となる費用をご紹介します。

おおよその目安が以下の通りです。

大規模サイトか中・小規模サイトかだけでなく、発注する制作会社の規模によっても費用が変わってきます。運用する目的を再確認し、目的としているものを強みとしている企業に発注することをおすすめします。

大規模サイトは、膨大なコンテンツ量や複雑な内部リンク構造など、さまざまなSEO課題を抱えています。基本的なSEO対策に加え、サイトマップの整備やページの表示速度の向上といった技術的な対策が不可欠です。

また、ユーザー体験を重視し、検索エンジンとユーザーの両方に好まれるサイト設計を行うことが重要です。

キーワードを盛り込んだ質の高いコンテンツ作成やモバイルの対応、ページ表示の速度改善などが、大規模サイトのSEOにおいて効果を発揮します。

課題に対して対策することで、検索エンジンからの評価を高め、ユーザー満足度を向上させることが可能になります。

大規模サイトの運営において、適切な対策を行うことは、持続的な成長と成果に繋がると言えます。