検索品質評価ガイドラインとは、Googleが検索結果の品質を人の手によって評価する目的で作られた、外部の検索品質評価者向けのマニュアルです。
SEO対策のために作られたものではありませんが、ガイドラインを踏まえてコンテンツを作ることはSEO対策に大いに役立ちます。
今回は、検索品質評価ガイドラインについての概要や、ガイドラインを踏まえたSEO対策などについて解説します。最後までご覧になることで、検索品質評価ガイドラインについて理解し、SEO対策にも活用が可能です。
まずは記事全体のサマリをご覧ください。


検索品質評価ガイドラインとは、(Search Quality Evaluator Guidelines)は、Googleが検索エンジンの品質を評価するために使用している指針です。
また、ガイドラインはGoogleの検索結果を評価するために雇われた評価者(検索品質評価者)に提供され、検索結果がどれだけユーザーの意図に沿っているか、有用性や信頼性がどうかを評価する基準です。
検索品質評価ガイドラインには、ユーザーのニーズが反映されており、Googleが求める上位表示に相応しい基準が理解できます。SEO対策においては、本質的な施策を練るための考え方ができます。
検索品質評価ガイドラインの特徴は、以下の4つ通りです。
検索品質評価ガイドラインの特徴について解説します。
ボリュームが多い
検索品質評価ガイドラインは、全170ページ以上あり、ボリュームが多い傾向です。
検索品質評価ガイドラインには、評価者が、どのように検索結果を評価するかについての具体的な指針が細かく説明されており、特に「E-A-T」(専門性、権威性、信頼性)に関する項目が多く取り上げられています。
この膨大な量の情報を理解するのは、ウェブサイトを運営する者にとって役立つ情報源となりますが、全ての内容を理解することは大変です。
全170ページ以上あり、評価について細かく記載されているためボリュームが多い。
英語版のみ
検索品質評価ガイドラインは、「General Guidelines」という全文英語で記載されたガイドラインであり、PDF形式で提供されています。日本語版はなく、英語版のみで公開されています。
日本語や他の言語には公式な翻訳が提供されていないため、英語を理解していないとガイドラインを直接読むのは困難です。
ネット上には、英語に慣れていないユーザー向けに日本語での解説やまとめ記事も多く存在するため、参考にできます。英語版で内容を把握できれば、より深くガイドラインを理解することが可能です。
英語以外の言語での公式な翻訳はないが、ネット上には日本語で解説された記事があり、参考にできる。
直接、検索順位に影響しない
検索品質評価ガイドラインが、検索順位に直接的な影響を与えるわけではありません。ガイドラインは、Googleの検索品質評価を行う評価者向けの指標ではありますが、ウェブサイトが検索順位を上げるためのガイドラインではありません。
直接的に検索順位に影響はしないものの、検索品質評価ガイドラインを参考にしてコンテンツを改善することで、検索順位を上げることに良い影響を与えられます。
検索順位を上げるためのガイドラインではないが、ガイドラインを参考にすることで、SEO対策できる。
定期的に更新される
検索品質評価ガイドラインは、Googleのアルゴリズム変更や検索品質に対する新たな考え方を反映するため、定期的に更新されています。これにより、常に最新の評価基準に基づいて検索結果を評価することが可能です。
ウェブサイトの運営者にとっては、ガイドラインが更新されるたびにその内容を確認し、最新の基準に合わせたコンテンツ作りをすることで、結果的にSEOにも良い影響を与えられます。
例えば、過去にはAIや専門家の信頼性に関する評価基準が強化されたことがあり、今後も新しいトピックや技術に対応して変更が加えられる可能性があります。
検索品質評価ガイドラインは定期的に更新されるため、最新の基準に合わせたコンテンツ作りや改善で、結果的にSEO対策になる。

検索品質評価ガイドラインは、定期的に更新され、新しいトピックや技術に対応しながら変化してきました。具体的な検索品質ガイドラインの変化は以下の通りです。
検索品質評価ガイドラインは、Googleの検索結果の品質を評価するための重要な指針ですが、これまでに何度も変更と更新が行われてきました。その内容の変遷を知ることは、ウェブサイトの運営者が最新の基準に対応するために重要です。
検索品質評価ガイドラインがどのように変化してきたのかを把握し、そして今後どのような方向性になるのかを予測することは、SEO対策の観点においても必要です。
この見出しでは、過去の具体的な変更点と未来の見通しについて解説します。
2022年12月:E-A-TにExperienceのEを追加
2022年12月、検索品質評価ガイドラインにおいて大きな変更がありました。それは、E-A-T(専門性、権威性、信頼性)の評価基準に「Experience」(経験)という要素が追加されたことです。
「Experience」が追加されたことで、コンテンツが単に情報を提供するだけでなく、実際の経験を反映していることが重要視されるようになりました。特に健康や金融などのYMYL(Your Money or Your Life)分野では、「Experience」の重要性が高まりました。
コンテンツ制作においては、単なる知識だけでなく、実際の体験に基づいた信頼性の高い情報を提供する必要があります。
YMYLの分野は、特に「Experience」の重要性が高い。
2023年11月:検索意図を満たす基準の変更
2023年11月に行われた検索品質評価ガイドラインの更新では、検索意図を満たすための基準がさらに強化されました。
これまで、検索エンジンはユーザーが入力したキーワードに基づいて結果を表示していましたが、更新後は「検索意図」を重視するようになりました。
単なるキーワードの一致ではなく、コンテンツがユーザーのニーズを的確に満たしているかが評価基準において重要です。ウェブサイトの運営者は、ユーザーが求めている情報を正確に提供できるようなコンテンツ作成が求められるようになりました。
評価基準において、コンテンツがユーザーのニーズを的確に満たしているかが重要。
2024年3月:AI生成コンテンツについて
2024年3月、検索品質評価ガイドラインに新たな要素として「AI生成コンテンツ」の取り扱いがされました。Googleは、AI技術を使って生成されたコンテンツに対しても、その品質が高いかどうかを評価する基準を設けています。
この変更は、AIツールを使用してコンテンツを作成するサイトが増える中で重要です。AI生成コンテンツは人間の監修や検証がないと、情報の信頼性や正確性に問題が生じる可能性があるため、Googleは品質に慎重に対応しています。
ウェブサイトの運営者は、AIを使って作成したコンテンツにおいても、E-E-A-T基準を守り、情報の正確さとユーザーのニーズに沿った内容を提供することが求められます。
AIを使用してコンテンツを作成した場合でも、E-E-A-T基準を守り、情報の正確性やユーザーのニーズに沿った内容を提供する
これからの見通し
検索品質評価ガイドラインには、更なる変化が予想されます。
特に、AI技術の進化やユーザーの検索行動の変化に対応するため、ガイドラインは柔軟に進化していくと考えられます。最近では、音声検索や画像検索が普及しており、検索方法に関して品質評価基準の追加や改善がされる可能性もあるでしょう。
今後、検索品質評価ガイドラインは、ウェブサイトの運営者にとってますます重要な情報源となり、ユーザーに価値のあるコンテンツを提供するための指針となることが予想されます。
最近は、音声検索や画像検索が普及しており、これからも時代の流れや変化に対応して更新されていくと考えられる。

SEOにおいて検索品質評価ガイドラインで押さえるべきポイントは、以下の3つです。
検索品質評価ガイドラインは、Googleの検索結果がユーザーにとってどれだけ有益かを評価するための指針です。SEOにおいて、ガイドラインを意識することは、検索順位を向上させるために欠かせません。
特に「Needs Met」や「Page Quality」、「ユーザビリティ」などの要素は、検索品質を決める重要な基準です。これらの評価基準を理解し、それに基づいたコンテンツ作成を行うことで、SEO効果を最大化可能です。
この見出しでは、検索品質評価ガイドラインの主要な3つのポイントを解説します。
Needs Met(ニーズとの一致)
「Needs Met(ニーズとの一致)」は、ユーザーが入力した検索クエリに対して、表示される検索結果がどれだけそのニーズを満たしているかを評価する基準です。
上位表示を狙うクエリと記事内容が合っているのか、5段階で評価します。評価内容については以下の通りです。
評価 | 内容 |
Fully Meets(FullyM) | 検索結果がユーザーのニーズを完璧に満たしています。検索意図に対して最適な情報が網羅的に提供され、信頼性が高い傾向です。ユーザーが求めている全ての情報を的確に、かつ直感的に理解できるように提供されています。 |
Highly Meets(HM) | 検索結果がユーザーのニーズを完璧に満たしています。検索意図に対して最適な情報が網羅的に提供され、信頼性が高い傾向にあります。ユーザーが求めているすべての情報を的確に、かつ直感的に理解できるように提供されています。 |
Moderately Meets(MM) | 検索結果がユーザーのニーズの一部に応えています。情報は提供されていますが、十分ではなく、ユーザーが求めている全ての情報が網羅されていないため、満足度がやや低い場合に該当します。改善の余地がある状態です。 |
Slightly Meets(SM) | 検索結果がユーザーのニーズに対してわずかに応えています。提供される情報は限定的で、ユーザーが求めている内容の一部しか満たしていません。この状態では、ユーザーは不満を感じることが多く、改善が必要です。 |
Fails to Meet(FailsM) | 検索結果がユーザーのニーズをほとんど満たしていません。検索意図に対する答えが不足しており、表示される内容は関連性が低く、誤った情報が多く含まれています。 |
SEOにおいて「Needs Met」を意識することは、単に検索キーワードを盛り込むこと以上に重要です。ユーザーが何を求めているのかを深く理解し、それに応じたコンテンツを提供することが、検索結果の上位に表示されるためのカギとなります。
「Needs Met」は、検索結果が「ユーザーの検索ニーズをどれだけ適切でどれだけ満たしているのか」を評価するための指標
Page Quality(ページの品質)
「Page Quality(ページの品質)」は、ウェブページの専門性や信頼性などを評価する基準です。この評価では、コンテンツの質がどれだけ高いか、正確で最新の情報が提供されているか、ユーザーにとって実用的で役立つ内容であるかが重要です。
特に、情報の信頼性や権威性が問われます。ページ品質を高めるためには、信頼できる情報源に基づいたコンテンツ作成が必要です。
また、サイトのデザインやユーザーエクスペリエンス(UX)が良好であることも、Page Qualityの向上に良い影響を与えます。SEOにおいて、ページ品質を改善することは、検索順位を上げるために重要です。
Page Qualityの信頼性の判断には以下の2つの概念が重視されています。
- YMYL
- E-E-A-T
YMYL、E-E-A-Tそれぞれについて解説します。
YMYL
YMYLとは、”Your Money Your Life”の略で、健康やお金などのような生活に関わる、重大な影響を与えるジャンルを指します。
YMYLのトピックは、健康やお金だけでなく、医療や法律に関わる情報も該当します。具体的には以下のようなコンテンツです。
- 商品情報や商品の売買が発生する情報(オンラインストア、オークションのような金銭の取引が行われるページ)
- 資産に関する情報(投資や保険などの情報が記載されたページ)
- 医療・薬品に関する情報(病気・怪我などの治療方法や医学的アドバイスが記載されたページ)
- 法律に関わる情報(離婚や相続などの法的アドバイスをするページ)
検索品質評価ガイドラインでは、YMYLコンテンツに対して厳格な基準を設けており、情報の正確さや信頼性が非常に重要視されています。
SEOにおいて、YMYLジャンルのコンテンツは、特に専門家による信頼性の高い情報を提供しなければなりません。この基準をクリアすることで、Googleの評価を得やすくなり、検索順位の向上に繋がります。
E-E-A-T
E-E-A-Tは4つの単語を合わせた総称のことです。4つの単語とGoogleの評価基準は以下の通りです。
E-E-A-T | 評価基準 |
経験(Experience) | ・実際に体験した人の視点から書かれている情報 ・ユーザーが役立つ情報を得るために、実体験や具体例が示されている |
専門性(Expertise) | ・誰が書いたかわかる ・専門的な知識や技術を持っている専門家が書いたコンテンツ |
権威性(Authoritativeness) | ・信頼できる情報源として認識されている ・著者やサイト自体がその分野で高い評価を受けている |
信頼性(Trustworthiness) | ・コンテンツが正確で、事実に基づいた情報を提供している ・サイトのセキュリティ(HTTPS)やプライバシーポリシーが明確である ・ユーザーが安心して利用できるよう、透明性が確保されている |
特に、経験(Experience)は、情報が実際の体験に基づいていることが重視されるようになりました。YMYL分野では、専門家としての知識や実績が評価され、コンテンツが信頼性や権威性を持っていることが求められます。
SEOにおいて、E-E-A-Tを高めるためには、専門家による信頼できる情報源をもとにしたコンテンツ作成が必要です。これらを意識することで、Googleの検索結果において高評価を得られ、検索順位の向上が期待できます。
「Page Quality(ページ品質)」は、ウェブページの専門性や信頼性などを評価する基準であり、YMYLやE-E-A-Tを意識することが重要。
モバイルの使いやすさ
モバイルでの使いやすさとは、コンテンツのわかりやすさや読みやすさ、操作しやすいかなどです。
サイトやページの構成やスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末での表示の最適化など、ユーザーが快適に情報を得られるかどうかが問われます。使いやすいサイトは、ユーザーが求めている情報に迅速にアクセスできるため、SEOにおいても効果的です。
特に、Googleはユーザーエクスペリエンス(UX)を重視しており、快適に閲覧できるサイトは、検索順位でも有利に働く傾向があります。ページの読み込み速度やさまざまなデバイスに応じたデザインなども、コンテンツを快適に使いやすくするために重要です。
モバイルでの使いやすさは、コンテンツにおけるページの読み込み速度やさまざまなデバイスに対応したデザインの改善が重要。

検索品質評価ガイドラインを踏まえたSEO対策において、手順は以下の通りです。
検索品質評価ガイドラインを踏まえたSEO対策では、ユーザーの検索意図に応じたキーワード選定や専門性や信頼性のあるコンテンツの作成、サイト全体のE-E-A-Tを高めることが求められます。また、ユーザーエクスペリエンスを重視し、モバイルフレンドリーで使いやすいサイト設計にすることも大切です。
この見出しでは、検索品質評価ガイドラインを踏まえたSEO対策について解説します。最後まで読むことで、Googleに高く評価されるサイトを作り、SEO効果を最大化することが可能です。
ターゲットユーザーの検索意図に沿うキーワード選定
SEOにおいて最も重要な要素の一つが、ターゲットユーザーの検索意図に沿ったキーワード選定です。検索品質評価ガイドラインでは、ユーザーが求める情報を的確に提供することが評価されます。
単に検索ボリュームの大きいキーワードを選ぶのではなく、ユーザーがどのような情報を探しているのか、どのような解決策を求めているのか、潜在ニーズを深く理解することが必要です。
検索意図に適したキーワードを選定することで、Googleにとって有益なコンテンツと認識され、検索結果で上位表示される可能性が高まります。
検索意図に適したキーワード選定を行い、Googleからも評価されることで上位表示を狙える。
専門性や信頼性の高いコンテンツ作成
「専門性」や「信頼性」は、検索品質評価ガイドラインにおいて重要な評価基準です。特に、YMYL(Your Money or Your Life)に関連する分野では、専門性が非常に重視されます。
SEO対策として、ユーザーにとって有益で信頼できる情報を提供することが求められます。専門家による執筆や、信頼できるデータやソースを引用することも必要です。
E-E-A-Tを意識した、専門性や信頼性の高いコンテンツを作成することで、Googleの検索アルゴリズムにおいても高く評価され、SEOの成果を最大化できます。
YMYLに関連するジャンルは、特に専門性や信頼性を重要視してコンテンツ作成を行う。
サイトのE-E-A-Tを適正に評価してもらう
E-E-A-Tは、検索品質評価ガイドラインにおいて、サイトの評価を行う際に重要視されます。
適正に評価してもらうためには、ユーザーが求めている情報を高いレベルで提供することが必要です。また、権威性や信頼性を高めるために、信頼できる情報源を引用することも重要です。
E-E-A-Tを意識したコンテンツ作成を行うことで、Googleにおける評価が向上し、SEO効果が得られやすくなります。
E-E-A-Tを意識したコンテンツ作成を行い、信頼できる情報を提供することでSEO効果が得られる。
モバイルフレンドリーで使いやすい設計にする
Googleは、モバイルファーストインデックスを導入しており、モバイル端末での閲覧が快適であることがSEOにおいて重要です。検索品質評価ガイドラインでも、ユーザーエクスペリエンス(UX)が高い評価を受けるためには、モバイルフレンドリーで使いやすい設計が求められます。
モバイル端末でのページ表示が遅い、ナビゲーションが不便などの問題がある場合、ユーザーがページから離脱する可能性が高くなり、SEO効果が低下する可能性があります。
モバイルフレンドリーなデザインを実現するためには、さまざまなデバイスに対応したデザインの導入や、ページの読み込み速度の改善、モバイルユーザー向けのインターフェースを提供することが重要です。
モバイルフレンドリーに対応し、速度やデザインの改善を行うことでSEO効果が向上する。
検索品質評価ガイドラインは、Googleが検索エンジンの品質を評価するために使用している指針です。文章は英語で記され、ボリュームも多い傾向にありますが、ポイントを押さえて内容を理解することで適切なSEO戦略を練ることが可能になります。
特に、YMYLやE-E-A-Tを重視したコンテンツ制作が必要です。検索品質評価者がどのようにサイトを評価するかを理解することで、よりユーザーに価値を提供できるコンテンツを作成できるようになります。
検索品質評価ガイドラインを踏まえ、質の高い情報を提供し続けることが、長期的に見るとSEO効果を高めることに繋がります。これからのSEO対策には、ユーザーの信頼を得るための努力がますます重要です。