「マーケティング施策をインハウス化したいが、どれくらいのリソースや時間が必要なのか分からない」「そもそも、インハウスマーケティングをするメリットはあるの?」
インハウスマーケティングを検討中の方は、このような疑問があるのではないでしょうか。
インハウスマーケティングを成功させるには、徐々に内製化していくことが大切です。また、インハウスマーケティングを成功させることで、マーケティングコストを下げられるメリットもあります。
この記事では、インハウスマーケティングのメリット・デメリットや、成功に導くためのポイントを実際に企業のインハウス支援を行っているコンサルタント毛利監修の元、詳しく解説します。
SEOコンサルタント
毛利浩一郎
もうりこういちろう
SEO歴5年。新規で立ち上げた通信系メディアをリリース1年で100万PVまでグロース ウォーターサーバーや美容系メディアなど対応業種は多岐にわたる。
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インハウスマーケティングとは
インハウスマーケティングとは、企業が自社内でマーケティング活動を行うことを指します。これにより、コスト削減やノウハウの内製化が可能となる一方で、高い専門性が求められる場面もあります。
適用されるマーケティング分野
インハウスマーケティングは、オウンドメディア運用、広告運用、SNS運用など様々な分野で適用されます。
それぞれの分野での具体的な取り組みについても解説します。
オウンドメディア運用
オウンドメディアとは、企業が自社で所有・運営するウェブサイトやブログなどの媒体のことです。
インハウスマーケティングでは、自社でオウンドメディアの企画・制作・運営を行い、顧客とのエンゲージメントを高め、ブランド認知度向上やリード獲得を目指します。 具体的には、以下のような取り組みが挙げられます。
オウンドメディアは、主にSEOによるWebマーケティングにおいて有効な手法です。
- コンテンツマーケティング:ブログ記事、動画、インフォグラフィックなど、顧客にとって有益なコンテンツを制作し、配信することで、顧客との関係性を構築します。
- SEO対策:検索エンジンで上位表示されるように、ウェブサイトの構造やコンテンツを最適化します。
ソーシャルメディアマーケティング
Facebook、Twitter、Instagramなどのソーシャルメディアを活用し、顧客とのコミュニケーションを図り、ブランド認知度向上やリード獲得を目指します。
SNSはWebマーケティングの中でも「顧客とコミュニケーションが容易」であることがメリットです。
広告運用
インハウスマーケティングでは、自社で広告の企画・実行・分析を行い、広告効果の最大化を目指します。
ターゲティング広告では、特定の属性や興味関心を持つユーザーに広告を配信することで、広告効果を高めます。
また、リターゲティング広告は過去に自社のウェブサイトを訪問したユーザーに対して、再度広告を配信することで、購買意欲を高めます。
広告実績に対して、A/Bテスト広告のクリエイティブやターゲティング設定などを変更し、効果の高い組み合わせを見つけることで、広告効果を向上させます。
短期的な成果を追う場合、サイトやアカウントを育てるSEO・SNS運用よりも、広告運用の方が良いでしょう。
SNS運用
インハウスマーケティングでは、自社でSNSアカウントの運用を行い、顧客とのコミュニケーションを図り、ブランド認知度向上やリード獲得を目指します。 具体的には、以下のような取り組みが挙げられます。
- コンテンツ投稿:顧客にとって有益な情報やエンタメ性の高いコンテンツを投稿することで、顧客とのエンゲージメントを高めます。
- ライブ配信:リアルタイムで顧客とコミュニケーションを図ることで、顧客との距離感を縮めます。
- インフルエンサーマーケティング:特定の分野で影響力を持つインフルエンサーと連携し、ブランド認知度向上やリード獲得を目指します。
その他
インハウスマーケティングは、上記以外にも、メールマーケティング、イベント企画・運営、キャンペーン企画・実行など、様々なマーケティング分野で適用されます。
インハウスマーケティングのメリット
インハウスマーケティングのメリットは大きく3つあります。
プロの目線から、インハウスマーケティングを行うメリットを紹介します。
内部ノウハウの蓄積
自社でマーケティングを行うことで、ノウハウを社内に蓄積し、長期的な戦略立案に活かすことができます。 インハウスマーケティングでは、自社の商品やサービス、顧客に関する深い理解を深めながら、マーケティング活動を進められるからです。
この過程で得られたノウハウは、今後のマーケティング戦略策定や施策実行に役立ち、企業の成長を促進する重要な資産となります。
例えば、自社でウェブサイトの分析を行い、顧客の行動パターンや興味関心を把握することで、より効果的なコンテンツマーケティング戦略を立案することができます。
また、広告運用を通じて、自社のターゲット層や広告効果の高い媒体などを分析することで、広告予算の効率的な配分が可能になります。
このように、インハウスマーケティングを通じて得られたノウハウは、企業にとって貴重な財産となり、競合との差別化を図る上で重要な役割を果たします。
内部にノウハウが蓄積されるため、マーケティング担当者の育成も容易になります。
コスト効率の向上
外部エージェント・コンサルタントを利用するよりもコスト削減が見込める点も大きなメリットです。
自社のリソースでカバーすることで、費用対効果も高まります。 外部のエージェンシーにマーケティング業務を委託する場合、高額な費用が発生します。
一方、インハウスマーケティングでは、人件費やツール費用などのコストを抑えることができます。 特に、中小企業やスタートアップ企業にとって、コスト削減は重要な課題です。
インハウスマーケティングは、限られた予算の中で効果的なマーケティング活動を行うための有効な手段となります。 ただし、インハウスマーケティングでは、人材育成やツール導入などの初期費用が発生する場合があります。
長期的な視点でコスト削減効果を見据え、適切な投資を行うことが重要です。
迅速な意思決定と実行
インハウスで行うことで、戦略の変更や新しい施策を迅速に実行に移すことができます。
これにより、マーケットの変化に柔軟に対応できます。 外部のエージェンシーに委託する場合、意思決定や施策実行に時間がかかる場合があります。
これは、エージェンシーとの間でコミュニケーションを取り、承認を得る必要があるためです。 一方、インハウスマーケティングでは、自社内で意思決定を行い、迅速に施策を実行することができます。これは、市場の変化に素早く対応し、競合との差別化を図る上で大きなメリットとなります。
例えば、競合が新しいサービスをリリースした場合、インハウスマーケティングでは、迅速に自社のサービスを改善したり、新しいマーケティング施策を展開したりすることができます。
マーケティング施策のスピード感を早められる点も、インハウスマーケティングのメリットです。
インハウスマーケティングのデメリット
メリットの多いインハウスマーケティングにも、専門性が必要だったり、ノウハウが属人化するなどのデメリットがあります。
インハウスマーケティングのデメリットを3つ紹介するので、ぜひ参考にしてください。
高い専門知識の必要性
マーケティング活動を内製化するためには、高い専門知識とスキルを持つ人材が必要です。
これが不足すると、効果的な施策を行うことが難しくなります。 インハウスマーケティングでは、マーケティング戦略の立案、コンテンツ制作、広告運用、データ分析など、幅広い知識とスキルが求められます。
これらの知識やスキルが不足している場合、効果的なマーケティング活動を行うことは困難です。
例えば、ウェブサイトのSEO対策を行うには、SEOの基礎知識やツールを使いこなすスキルが必要です。また、広告運用を行うには、ターゲティング設定や広告効果測定などの知識やスキルが必要です。
そのため、インハウスマーケティングを成功させるためには、専門知識を持つ人材を育成したり、外部から専門家を招聘したりする必要があります。
高い専門性が求められるため自社だけで内製化しようとせず、他社と協力しつつ内製化していくことで成功に近づきます。
ノウハウの属人化リスク
知識やノウハウが特定の個人に依存してしまうと、その人が離職した際に大きな影響を受けるリスクがあります。
インハウスマーケティングでは、特定の担当者がマーケティング活動の責任を負うことが多いです。そのため、その担当者が会社を辞めてしまうと、蓄積された知識やノウハウが失われてしまうリスクがあります。
これを防ぐためには、社内で知識やノウハウを共有する仕組みを構築したり、担当者の育成に力を入れたりすることが重要です。
例えば、社内Wikiやナレッジベースを導入し、マーケティングに関する情報を共有することで、属人化を防ぐことができます。また、担当者に対して、定期的な研修や資格取得を支援することで、スキルアップを促し、ノウハウの継承を図ることができます。
外部情報の減少
社内に閉じこもりがちになるため、最新の業界情報やトレンドを把握するのが難しくなることがあります。
外部のエージェンシーと連携している場合、エージェンシーから最新の業界情報やトレンドに関する情報を提供してもらえます。一方、インハウスマーケティングでは、自社で情報収集を行う必要があり、最新の情報を把握するのが難しい場合があります。
これを防ぐためには、業界誌や専門サイトを定期的にチェックしたり、業界イベントに参加したりするなど、積極的に外部情報を収集する必要があります。
また、外部の専門家と連携し、最新の情報を共有することも有効です。 例えば、マーケティング関連のセミナーや勉強会に参加することで、最新の知識やトレンドを学ぶことができます。
また、外部のコンサルタントに相談することで、客観的な視点からアドバイスを得ることができます。
特にWebマーケティングでは、施策のトレンドは日々変化しています。インハウスマーケティングの成功には、最新情報のキャッチアップが必要不可欠です。
インハウスマーケティングを成功させる方法
インハウスマーケティングを成功させるポイントは、下記の3つが挙げられます。
徐々に内製化を進める
全ての業務を一度に内製化するのではなく、段階的に進めることでリスクを分散し、成功しやすくなります。
インハウスマーケティングを導入する際には、いきなり全ての業務を内製化しようとせず、まずは一部の業務から始めることがおすすめです。
例えば、オウンドメディアの運用やSNS運用など、比較的容易な業務から始めて、徐々に内製化を進めていくことで、成功率を高めることができます。
段階的に内製化を進めることで、社内の体制や人材育成状況に合わせて、柔軟に対応することができます。また、内製化の過程で課題や問題点に気づくことができ、より効果的なインハウスマーケティング体制を構築することが可能です。
ノウハウの共有と教育
社内で知識やノウハウを共有する場を設け、継続的な教育を行うことで、属人化のリスクを軽減できます。
インハウスマーケティングでは、社内で知識やノウハウを共有し、誰でも活用できる体制を構築することが重要です。そのため、社内Wikiやナレッジベースを導入したり、定期的な勉強会や研修を実施したりすることが有効です。
また、担当者に対して、最新のマーケティング知識やスキルを習得するための教育プログラムを提供することも重要です。
外部の専門機関との連携や、社内外の専門家による研修など、効果的な教育プログラムを導入することで、担当者のスキルアップを促進し、ノウハウの継承を図ることができます。
外部リソースの適切な利用
全てを内製化する必要はなく、専門的な分野においては外部のエージェントやコンサルタントを適切に利用することも重要です。
インハウスマーケティングでは、自社で対応できない専門的な業務については、外部のエージェンシーに委託することも有効です。例えば、SEO対策や広告運用など、高度な専門知識やスキルが求められる業務は、外部のエージェンシーに委託することで、より効果的な成果を得ることができます。
外部リソースを適切に利用することで、自社の強みを活かし、効率的にマーケティング活動を推進することができます。
また、外部の専門家との連携を通じて、最新の業界情報やトレンドを把握することもできます。
インハウスマーケティングに関してよくある質問
最後に、インハウスマーケティングでよくある疑問や質問に回答します。
インハウスマーケティングのコツは?
インハウスマーケティングのコツは、徐々に内製化を進めることです。
インハウスマーケティングは、完成までに時間のかかる作業です。そのため、半年〜1年以上時間を設けて徐々に内製化していと良いでしょう。
インハウスマーケティングを行って行く際の広告代理店との付き合い方は?
インハウスマーケティングを行う際、広告代理店はパートナーとして位置づけ、明確な目標とKPIを設定しましょう。
広告代理店を単なる請負業者ではなく、インハウスマーケティングチームのパートナーと捉えましょう。
そのためには、プロジェクトの目的やターゲット層、達成したい目標などを明確に共有し、双方が合意したKPIを設定することが重要です。
インハウスマーケティングにマーケターは必要?
インハウスマーケティングには、マーケターが必要です。
マーケター不在でインハウスマーケティングを行うと、施策の方向性が間違っていたり、効果測定が正しく行えなかったりします。
そのため、インハウスマーケティングとマーケターは切っても切り離せません。
まとめ
インハウスマーケティングは、コスト削減やノウハウの蓄積など多くのメリットを持ちつつも、高い専門性が求められるため、ステップバイステップでの導入が鍵となります。
適切な準備と教育体制の構築が成功の秘訣です。 インハウスマーケティングを成功させるためには、以下のポイントを意識することが重要です。
- 必要な専門知識やスキルを持つ人材を確保する
- 社内で知識やノウハウを共有する仕組みを構築する
- 外部リソースを適切に利用する
継続的な教育と改善を続ける インハウスマーケティングは、企業にとって大きな可能性を秘めた戦略です。
適切な準備と実行によって、企業の成長に貢献する強力なツールとなるでしょう。