SEOにおけるページネーションとは、複数のコンテンツを分割・整理し、ユーザーに段階的に情報を届けるための機能です。ページネーションには、以下の3種類があります。
ページネーションは、ユーザービリティやクローラビリティに関わります。表示速度の向上やナビゲーションの改善などの効果があり、SEOにおいて評価されるポイントです。
当記事では、主に以下のことが分かります。
最後まで読めば、ページネーションとSEOの関係性が分かり、質の高いWebサイトを構築できるようになるでしょう。

Web集客コンサルタント
川口凌
かわぐちりょう
SNS集客2年、SEO集客3年経験。 現在は、WINDOM株式会社で士業領域のSEO集客、そのほかさまざまなジャンルのSEOコンサルティングを担当。士業領域の集客なら川口にお任せ!結果が出るまで諦めずPDCAを回すがモットー
目次 非表示
- SEOにおけるページネーションとは?基本的な意味と役割
- SEOにおけるページネーションの種類は?3つの実装パターン
- ページネーションの必要性は?メリット・SEO効果を解説
- SEOにおけるページネーションのデメリット・問題点
- SEOにおけるページネーションのベストプラクティスとは?Googleの見解を基に解説
- SEOにおけるページネーションの実装方法は?3つのケース別で解説
- SEOにおけるページネーション実装時の注意点
- SEO効果を高めるページネーションのポイント
- SEOでページネーションは本当に必要?
- SEOのページネーションに関するよくある質問
- まとめ:ページネーションを正しく設定し、SEO効果を高めよう

SEOにおけるページネーションとは、コンテンツを複数のページに分割する機能です。ページネーションは「ページ送り」「ページング」などと呼ばれ、Webサイトでは「1・2・3・次へ」などの形式で使われます。
ユーザーの利便性向上やクローラビリティ改善などの重要な役割を担います。
大量のコンテンツを一ページに詰め込まず、段階的に表示することで読み込み速度を保ち、目的の情報にスムーズにアクセスできるようになります。検索エンジンが構造を把握しやすくなるため、適切なインデックスや評価につながるのです。
SEO対策を行うためにも、ページネーションを正しく理解しましょう。

SEOにおけるページネーションの種類は、以下の3つです。
ページネーションと一口にいっても、大きく分けて3つのパターンがあります。どの形式を採用するかによって、ユーザーの操作性が変わるのが特徴です。
ここでは、ページネーションの種類について解説します。
数字型ページ送り
数字型ページ送りとは、ページネーションの中でも最も一般的な形式です。「1・2・3」といった数字リンクを一覧で表示します。以下が当サイトの数字型ページネーションの例です。

ユーザーが特定のページ番号を自由に選んでアクセスできるため、目的の情報に素早くたどり着けるのがメリットです。
SEO対策の観点からも、安定して効果が期待できる実装パターンと言えるでしょう。ただし、ページ数が多くなるとリンクが煩雑になりやすいため、デザインやUIの工夫が求められます。
前後ページ送り
前後ページ送りは、「前へ」「次へ」などのテキストリンクのみを表示し、ユーザーに順番にページをたどってもらう形式です。表示がシンプルであり、モバイル環境やコンテンツの流れが自然な場合に適しています。
ただし、特定のページへ直接移動できないため、ユーザーが目的の情報にたどり着くまでに時間がかかるケースがあります。
SEO対策では、rel=”prev”やrel=”next”の設定を正しく行い、検索エンジンにページの連続性を伝えることが重要です。簡易な一覧表示に向いた形式であり、コンテンツ数がそれほど多くない場合に効果的です。
無限スクロール
無限スクロールとは、ユーザーがスクロールするたびに次のコンテンツが自動的に読み込まれるページネーションの一種です。SNSやECサイトなど、長時間閲覧させたいサイトによく使われる形式であり、操作の手間が少なく閲覧体験がスムーズになるのが強みです。
しかし、SEOの観点では、検索エンジンがすべてのコンテンツにアクセスできないリスクがあります。そのため、Googleは無限スクロールの代替としてページ分割やリンク構造の明示を推奨しています。
検索エンジンにページ分けされたコンテンツのページ間の関係を認識させるには、
<a href>
タグを使用して各ページに次のページへのリンクを追加します。そうすることで、Googlebot(Google のウェブクローラ)が次のページを見つけやすくなります。また、各ページに最初のページへ戻るリンクを設定し、Google に対して一連のページの始点を示すこともおすすめします。これにより、ページ列中で最初のページが他のページよりもリンク先ページとして適しているというヒントを Google に与えることができます。
ユーザビリティとSEO効果を両立させるには、無限スクロールとHTMLリンクの併用や、JavaScriptの適切な制御が求められます。

ページネーションのメリット・SEO効果は、以下の3つです。
ページネーションは、ユーザビリティ・クローラビリティの向上という面で重要です。ここでは、ページネーションの必要性やSEO効果について解説します。
ページの読み込み速度が上がる
ページネーションの大きなメリットは、読み込み速度の向上です。一ページ内に大量の情報を詰め込むと、画像やテキストの読み込みが増え、表示速度が著しく低下します。
読み込み速度の低下はユーザーの離脱を招くだけでなく、検索エンジンからの評価も下がる原因になります。
ページネーションを導入し、コンテンツを適切に分割すると、一ページあたりのデータ量が抑えられ、表示スピードの改善が期待できます。Googleが明言している通り、表示速度はSEO評価の重要な要素であり、ユーザー体験の質を左右する要因ですす。ページネーションは、スムーズな閲覧環境を実現しながら、検索順位の向上にも貢献する施策の一つです。
目的の情報にアクセスしやすくなる
ページネーションの二つ目のメリットは、ユーザーが目的の情報を見つけやすくなることです。情報量が多いページでは、ユーザーが自分の探している内容にたどり着くまでに時間がかかり、閲覧意欲が低下することがあります。
ページネーションを設置すれば、情報をカテゴリごとや日付順に整理し、目的に沿ったページへとスムーズに誘導できます。
商品一覧や記事アーカイブなどでは、ページごとのナビゲーションがユーザー体験を左右します。直帰率の低下やページ滞在時間の増加にもつながり、結果としてSEOにも良い影響を与えられるでしょう。
クローラビリティが向上する
ページネーションは、クローラビリティの向上にもつながる機能です。
検索エンジンは、クローラーと呼ばれるプログラムを使ってWebサイト内の情報を収集・インデックスします。コンテンツが膨大かつ構造が整理されていない場合、すべてのページに正確に到達できないことがあります。
ページネーションによって情報が分割され、リンク構造が明示されると、クローラーが各ページを効率良く巡回しやすくなるのがメリットです。
rel=”prev”やrel=”next”などの正しいマークアップを行うことで、ページの関係性を検索エンジンに伝えられ、インデックス精度が向上します。ページネーションは、クローラビリティと内部構造の最適化を実現するための、SEO施策です。

SEOにおけるページネーションのデメリット・問題点は、以下の2つです。
ページネーションは多くのSEO効果をもたらしますが、注意点もあります。ここでは、ページネーションの問題点について詳しく解説します。
読み込みが遅い場合は離脱率が高まる
ページネーションによってページを分割しても、一ページごとの読み込み速度が遅ければ、ユーザーは途中で閲覧をやめてしまう可能性があります。画像の最適化不足やスクリプトの遅延読み込みが原因となることが多く、モバイル環境では表示遅延による離脱が表れやすいです。
SEOではページ速度がランキング要因とされており、速度低下は検索順位の下落にもつながるリスクがあります。ページネーションを実装する際は、表示コンテンツの軽量化やキャッシュ利用など、パフォーマンス面の最適化を同時に行うことが大切です。
重複コンテンツと見なされるリスクがある
ページネーションで構成された各ページに同じタイトルタグやメタディスクリプションが設定されていたり、本文の大部分が重複していたりすると、「重複コンテンツ」と判断されるリスクが生じます。
各ページにcanonicalタグを設定する、タイトルタグにページ番号を加える、内容に差異を持たせるなどの工夫が求められます。適切なマークアップによって、評価低下のリスクを回避しましょう。

Googleは、ページネーションに関して以下の方針を公開しています。
- ページを順番にリンクする
- URLを正しく使用する
- フィルタや並べ替えのあるURLがインデックスに登録されないようにする
Googleは、各ページを順番にリンクし、一意のURLを付与することで、クローラがページの関連性を正しく把握できるようにすべきだとしています。
かつて利用されていたrel=”next”やrel=”prev”はGoogleではすでに評価対象外となっています。しかし、他の検索エンジンでは有効な場合もあるため、状況に応じた対応が求められます。また、フィルタや並べ替えによるURLのインデックスは、noindexやrobots.txtによる制御が必要です。
参考:Google 検索セントラル「ページ分け、段階的ページ読み込み、それらの Google 検索に対する影響」

SEOにおけるページネーションの実装方法は、以下の3つです。
ページネーションを実装するには、自身のサイト環境や技術スタックに合った方法を選ぶことが重要です。ここでは、ページネーションの実装方法を解説します。
HTML・CSS
HTML・CSSは、基本的なページネーションの実装方法です。検索エンジンに明確なリンク構造を伝えられるため、クローラビリティが高まり、インデックスの精度が向上します。
以下のように、<ul>
と<li>
を使ってページ番号をマークアップし、現在のページにはaria-current
属性を追加することで視覚的にも分かりやすく設計できます。CSSでは横並びに整列し、余白や色調整を行うことでユーザーの操作性も高まります。
▼HTML
<ul>
<li>1</li>
<li><a href=”page/2″>2</a></li>
<li><a href=”page/3″>3</a></li>
<li><a href=”page/4″>4</a></li>
</ul>
▼CMS
/* CSS(装飾と横並び) */
.pagination ul {
display: flex;
list-style: none;
padding: 0;
}
.pagination li {
margin-right: 8px;
}
.pagination a {
text-decoration: none;
padding: 6px 12px;
border: 1px solid #ccc;
color: #333;
border-radius: 4px;
}
.pagination a.active,
.pagination a[aria-current="page"] {
background-color: #0073e6;
color: #fff;
pointer-events: none;
}
WordPress
WordPressでは、専用プラグインを使えば初心者でも簡単にページネーションを導入できます。代表的なプラグインは「WP-PageNavi」です。インストールと有効化を行うだけで、ページ送りリンクが自動生成されます。
管理画面から表示形式を細かく調整できるため、HTMLやCSSの知識がなくても柔軟にカスタマイズ可能です。
jQuery(JavaScriptライブラリ)
jQueryは、JavaScriptを簡潔に扱えるライブラリであり、ページネーションの実装が可能です。代表的なプラグインとして「paginathing.js」が挙げられます。
jQueryにおけるページネーションの実装方法は、以下のとおりです。
- GitHubから「paginathing.js」をダウンロード
- HTMLにプラグインを記述
- HTMLとCSSでページネーションを実装・カスタマイズ

SEOにおけるページネーション実装時の注意点は、以下の3つです。
ページネーションを導入する際は、検索エンジン向けの設定にも細心の注意を払う必要があります。ここでは、ページネーションを実装する際に押さえておきたい注意点を解説します。
各ページに自身を指すcanonicalタグを設定する
ページネーションを実装する際は、ページ自身を指すcanonicalタグを設定することが重要です。
canonicalタグとは、検索エンジンに「このページが正規のURLである」と伝えるためのHTMLタグです。重複コンテンツの誤認を防ぎ、SEO評価の分散を防止します。
一ページ目に全ての評価を集中させるような誤った指定は避けるべきです。ページネーションを正しく評価してもらうためにも、<link rel="canonical" href="URL">
は各ページごとに正確に記述しましょう。
rel=”prev” / rel=”next” を正しく設定する
ページネーションの各ページが連続していることを検索エンジンに伝える手段として、rel="prev"
およびrel="next"
の設定があります。HTMLの<head>
タグ内に記述すると、検索エンジンはページの関係性を正しく認識し、コンテンツの流れを理解しやすくなります。
なお、Googleではrel="prev"
とrel="next"
の評価を現在行っていないと発表していますが、他の検索エンジンでは引き続き参照されている可能性があります。SEO効果の安定性と将来性を考慮し、基本的な構造はしっかり整えておくことが推奨されます。
noindex・nofollowを設定しない
ページネーションを行った際、2ページ目以降に対してnoindex
やnofollow
を設定するケースがありますが、SEO上のマイナス要因になります。
noindex
が設定されていると、検索エンジンはページをインデックスから除外し、nofollow
があるとリンク構造を無視するため、クローラビリティが著しく低下します。サイト全体の評価や内部リンクの伝播が妨げられる可能性があるため、注意が必要です。

SEO効果を高めるページネーションのポイントは、以下の4つです。
ページネーションを導入する際には、SEO効果を意識したデザインや配置にも注意を払うことが重要です。ユーザーが迷わず目的のページにたどり着ける構造を整えることで、直帰率や離脱率の低下につながり、結果としてSEO評価の向上も期待できます。
ここでは、ページネーションの設計ポイントを解説します。
現在のページを視覚的に分かりやすくする
ページネーションの中で現在のページを示すことは、ユーザー体験の向上に関わるポイントです。視覚的に強調されたページ番号があれば、ユーザーは自身の閲覧位置を把握しやすくなり、混乱や誤操作を防げます。
現在のページにのみ「active」クラスやaria-current="page"
属性を設定し、背景色や枠線の変更で視認性を高める手法が有効です。視覚的な強調はアクセシビリティの観点からも評価されやすく、ユーザビリティ向上につながるでしょう。
前後ページへのリンクを設置する
ページネーションでは、ページ番号の一覧表示に加えて、「前へ」「次へ」といった前後のページリンクを設置することがユーザビリティを高めます。連続したページをスムーズに移動できるようにすれば、滞在時間の延長や回遊率の向上が期待できるでしょう。
また、検索エンジンがページ間の構造を認識しやすくなるため、内部リンクの最適化にもつながります。HTMLでは、rel="next"
やrel="prev"
の記述を併用し、クローラに正確なページ関係を伝える設計が可能です。
最初・最後へのリンクを設置する
ページ数が多い場合は、「最初のページ」や「最後のページ」へのリンクも設置しましょう。コンテンツが数十ページ以上に及ぶ場合、ページ番号を押して移動するのは手間がかかるため、始点・終点へのリンクは非常に便利です。
ユーザーだけでなく、検索エンジンにとってもページ構造の全体像を把握しやすくなります。
ページの下に設置する
ページネーションはコンテンツ下部に配置するのが一般的であり、ユーザーの視線や行動パターンに沿った自然な導線設計となります。記事や商品リストを見終えた後にページ送りがあると、次のページへの移動がスムーズになり、離脱を防ぎます。
また、ページ下部にリンクが集中していることで、内部リンクの構造が整理され、検索エンジンによるクロール効率も向上します。

SEO対策でページネーションは必須ではないものの、情報量が多いサイト構造では導入する価値が高い機能です。検索エンジンは膨大なデータを効率良くクロール・インデックスするため、整備されていればクローラビリティの向上につながります。
また、ユーザー視点でも目的の情報にたどり着きやすくなり、滞在時間や回遊率の改善が期待できます。ページネーションは単なる機能ではなく、SEO対策の一部として導入すべき施策です。

SEOのページネーションに関するよくある質問は、以下の2つです。
最後に、SEOのページネーションに関連する質問に回答します。ページネーションの理解を深めるためにも、参考にしてください。
ページネーションのおすすめデザインは?
SEOとユーザビリティの両立を考慮したページネーションデザインでは、視認性と操作性の高さが重要です。ページ番号は横並びで表示し、現在のページには色や枠線で強調を加えましょう。
「前へ」「次へ」だけでなく、「最初」「最後」や省略記号(…)も適切に配置すると、直感的な操作が可能になります。スマートフォン対応のレスポンシブデザインも重要です。
PHPにおけるページネーションの作り方は?
PHPを使ったページネーションの実装では、データベースとの連携を前提に、表示件数の制御とページ番号の生成処理を行います。基本的な流れは、以下のとおりです。
- 総レコード数を取得
- 1ページあたりの表示数でページ数を算出
- SQLでLIMITとOFFSETを指定
- ページリンクを動的に出力
ページごとにURLを明確に分けることで、SEOクローラが適切にインデックスできる構造になります。また、GETパラメータを使ったURL設計や、現在のページの強調表示も忘れずに設定しましょう。

ページネーションとは、コンテンツを複数ページに分割し、ユーザーが必要な情報にたどり着きやすくする機能です。検索エンジンにサイト構造を正確に伝え、ユーザーにとっても使いやすい動線を提供するための情報設計の一部と言えます。
ページネーションが持つ意味を正しく理解し、自サイトに最適な形で組み込むことが大切です。適切なページネーションを設定し、ユーザーと検索エンジンに伝わる仕組みを作りましょう。