リスティング広告とは?費用の仕組みと相場の読み方・自社の適正額の調べ方

「リスティング広告の費用相場は月20〜50万円」——調べるとこの数字が並びます。これが何を含んだ金額かご存じでしょうか。

リスティング広告は、検索結果に広告を表示し、クリックされたときだけ費用が発生する広告です。始めるにあたって最低出稿金額は設定されておらず、少額からでも配信できます。しかし「いくらから出せるか」と「いくらから成果を判断できるか」はまったく別の話です。

広く出回っている相場の数字も、媒体費だけを指すのか、制作費や代理店手数料まで含むのかによって意味が変わります。

この記事では、リスティング広告の費用が決まる仕組みを整理したうえで、相場の数字をどう読むべきかを解説します。読み終えるころには、相場の数字に振り回されず、自社に必要な金額を根拠を持って算出できる状態になります。

この記事の監修者

SEOコンサルタント

毛利浩一郎

もうりこういちろう

監修者

SEO歴5年。新規で立ち上げた通信系メディアをリリース1年で100万PVまでグロース ウォーターサーバーや美容系メディアなど対応業種は多岐にわたる。

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リスティング広告とは?費用が発生する仕組みから理解する

相場の数字を調べるより先に、費用が決まる仕組みを理解したほうが早く答えにたどり着けます。

リスティング広告は、クリックされたときだけ費用が発生する広告です。表示されただけでは費用がかかりません。この一点が、以降のすべての話の前提になります。

キーワードに連動して表示される広告のこと

掲載される場所と広告のフォーマット

クリックされたときだけ費用が発生する

キーワードに連動して表示される広告のこと

リスティング広告とは、ユーザーが検索したキーワードに連動して、検索結果画面に表示される広告です。

呼び方が複数あるため、整理しておきます。

呼称意味
リスティング広告検索結果に表示される広告の総称として使われる
検索連動型広告検索キーワードに連動する点を指した呼び方
PPC広告Pay Per Click(クリック課金)という課金方式に着目した呼び方

いずれもほぼ同じものを指しています。媒体や記事によって呼び方が変わるだけです。

国内の主要な媒体は、Google広告とYahoo!広告の2つになります。

掲載される場所と広告のフォーマット

検索結果ページの上部と下部に表示されます。自然検索の結果とは区別され、広告であることを示す表示が付きます。

広告は複数の要素で構成されます。

要素内容
広告見出し最も目立つ部分。クリック率を左右する
説明文見出しを補足する本文
表示URL遷移先のドメイン
各種アセットサイトリンクや電話番号などの追加情報

アセット(追加情報)は、追加費用なしで表示面積を広げられる要素です。設定されていないアカウントが多く、機会損失になっています。

クリックされたときだけ費用が発生する

広告が表示されただけでは、費用は発生しません。ユーザーがクリックして初めて課金されます。

状態費用
検索結果に広告が表示された発生しない
ユーザーが広告をクリックした発生する

この仕組みが、「少額から始められる」という特徴の根拠になっています。表示回数に対して課金される方式であれば、一定の予算がなければ配信できません。クリック課金であれば、クリックされた分だけの支払いで済みます。

ただし、少額で始められることと、少額で判断できることは別です。

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リスティング広告の費用が決まる仕組み

リスティング広告の費用は、単純に「設定した予算=実際にかかる金額」ではありません。クリック単価や掲載順位、広告の品質、日予算など複数の要素によって、実際の広告費が決まります。

特に、同じキーワードでも競合状況や広告品質によってクリック単価は変動します。

クリック単価はオークションで決まる

掲載順位は「入札額×広告の品質」で決まる

品質が上がるとクリック単価は下がる

日予算と実際の額は一致しない

クリック単価はオークションで決まる

クリック単価は固定価格ではありません。そのキーワードに出稿している広告主どうしのオークションによって決まります。

つまり、次のことが起こります。

・同じキーワードでも、時期によって単価が変わる

・競合が増えれば単価は上がる

・競合が減れば単価は下がる

「このキーワードは1クリック◯円」と固定で決まっているわけではありません。業界別の平均単価が参考値にとどまるのは、この仕組みが理由です。

自社が狙うキーワードの推定単価を調べる方法は、第5章で扱います。

掲載順位は「入札額×広告の品質」で決まる

掲載順位は入札額だけでは決まりません。広告の品質を含む複数の要素が評価されます。

評価される要素内容
入札額1クリックあたりに支払う上限額
広告の品質検索語句との関連性、推定クリック率、ランディングページの利便性
その他の要素オークションの状況、広告フォーマットの影響など

この仕組みがあるため、入札額が高いだけでは上位に表示されません。逆に、品質が高ければ競合より低い単価で上位に出られる場合があります。

品質が上がるとクリック単価は下がる

広告の品質を改善すると、同じ順位をより低い単価で維持できるようになります。

品質に影響する要素は3つに整理できます。

要素改善の方向
検索語句との関連性登録キーワードと広告文の言葉を揃える
推定クリック率検索意図に合った広告文にする
ランディングページの利便性広告の内容とLPの内容を一致させる

品質の改善は、費用削減に直結します。入札額を下げずに単価を下げられる唯一の方法とも言えます。

日予算と実際の額は一致しない

日予算を設定していても、その金額ちょうどで配信が止まるわけではありません。

Google広告の公式ヘルプによると、1日の費用の上限は、ほとんどのキャンペーンで1日の平均予算の2倍とされています。そして1か月の費用の上限は、1日の平均予算の30.4倍(365日÷12か月)です。

計算例は以下のとおりです。

項目金額
日予算の設定10,000円
1日の費用の上限20,000円
1か月の費用の上限304,000円

月30万円のつもりで組んでも、30万4,000円まで発生し得ます。予算表を作るときは、日予算 × 30日ではなく日予算 × 30.4で計算してください。

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リスティング広告の費用相場と最低出稿金額

一般に語られている相場を整理します。ただし、この数字の扱いには注意が必要です。

よく言われる月20〜50万円という目安

最低出稿金額は設定されていない

業界によってクリック単価は大きく異なる

Google広告とYahoo!広告の費用の違い

よく言われる月20〜50万円という目安

複数の情報源で、月額20〜50万円程度という数字が示されています。この金額は、次のような条件を想定した水準とされています。

前提内容
対象キーワード数十語程度
配信エリア全国、または主要都市圏
目的一定量のデータを取りながら運用する

ただし、この金額に含まれる施策や作業範囲は、サービスによって異なります。広告費だけを指す場合もあれば、運用代行費やクリエイティブ制作費まで含む場合もあります。そのため、金額だけで比較せず、何にいくらかかるのかを確認することが大切です。

最低出稿金額は設定されていない

媒体側の制約として、最低出稿金額は設けられていません。

項目状況
最低出稿金額設定されていない
日予算の下限少額から設定できる
契約期間の縛り媒体側にはない

つまり、月数千円からでも配信は可能です。

ただし、ここで注意が必要です。「出稿できる金額」と「成果の良し悪しを判断できる金額」は別物です。

月5,000円で配信を始めても、クリックが数件しか発生しなければ、そのキーワードが良いのか悪いのかは判断できません。

業界によってクリック単価は大きく異なる

クリック単価は、業界によって大きな差があります。

傾向理由
単価が高くなりやすい業界顧客単価が高く、広告主の入札額が上がりやすい
単価が低くなりやすい業界競合が少ない、または顧客単価が低い

同じ業界でも、狙うキーワードによって単価は数倍変わります。

「〇〇 とは」という情報収集段階のキーワードを考えてください。「〇〇 見積もり」という発注直前のキーワードとは、競合の入札額がまったく違います。

業界平均を見ても、自社の適正額は分かりません。

Google広告とYahoo!広告の費用の違い

2媒体には、利用者層と競合状況の違いがあります。

比較軸Google広告Yahoo!広告
利用者の傾向幅広い年齢層。モバイル比率が高い相対的に年齢層が高い傾向
出稿している広告主多いGoogleより少ない場合がある
クリック単価キーワードにより変動Googleより低くなる場合がある

単価だけで媒体を選ばないでください。自社のターゲット層がどちらを使っているかが判断の起点になります。

Google広告で配信した内容が、Yahoo!の検索結果に出るわけではありません。両媒体に出稿したい場合は、それぞれで出稿する必要があります。

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「月20〜50万円」という相場は何を含んだ金額か

相場の数字は多くの記事で示されていますが、その数字が何を含むのかまで書かれていることは多くありません。ここでは、相場という情報の性質を整理します。

相場の数字が何を指しているのか書かれていない

媒体費のほかにかかる費用

相場をそのまま自社に当てはめてはいけない理由

相場の数字が何を指しているのか書かれていない

「月20〜50万円」という費用相場を見ても、その金額に何が含まれているのかによって実際の負担は大きく変わります。

解釈含まれるもの
解釈A媒体に支払う広告費のみ
解釈B広告費+代理店手数料
解釈C上記+LP制作費・クリエイティブ制作費

同じ「月30万円」でも、広告費だけで30万円を使うケースと、制作費や手数料を含めて30万円のケースでは、実際に広告へ投じられる金額が異なります。

そのため、費用相場を見る際は金額だけでなく、広告費・運用手数料・制作費など、何が含まれている数字なのかまで確認することが大切です。

媒体費のほかにかかる費用

リスティング広告の費用は、媒体に支払う広告費だけではありません。実際には、広告の制作やLP、計測環境、運用などにも費用が発生します。主な費目は次の5つです。

費目内容金額の目安
①媒体費Google広告・Yahoo!広告への支払い予算の中心
②広告文・クリエイティブの制作費広告文の作成、バナー制作内製なら工数のみ
③LPの制作・改修費遷移先ページの新規制作や改善新規制作で数十万円規模
④計測環境の構築費コンバージョン計測タグの設置・設定初期のみ数万円程度
⑤代理店手数料または社内工数運用を担う人的コスト広告費の20%前後が一般的

特に見落としやすいのが、LPの制作・改修費です。遷移先のLPがない状態では、広告を出稿しても成果につながりにくくなります。既存のサービスページを代用できるか、着手前に確認しておきましょう。

相場をそのまま自社に当てはめてはいけない理由

必要額を左右する要素は3つあります。

要素必要額への影響
業界のクリック単価単価が2倍なら、同じクリック数を得る費用も2倍になる
狙うキーワードの競合状況競合が多いキーワードほど単価が上がる
目標とするCV数必要なクリック数が変わる

この3つの条件が異なれば、必要な広告費は数倍変わる可能性があります。そのため、相場の数字はあくまで出発点と考え、自社の条件から必要額を算出することが大切です。

相場に合わせて予算を決めるのではなく、目標と広告単価から逆算しましょう。

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自社が狙うキーワードのクリック単価を調べる手順

リスティング広告の必要予算を考える際は、業界全体の相場ではなく、自社が狙うキーワードのクリック単価を確認することが重要です。

キーワードによって競合状況や単価は大きく異なるため、平均値だけでは実際の必要額を判断できません。

ここでは、以下の内容について解説します。

キーワードプランナーで推定単価を確認する

実際の検索結果から競合の出稿状況を確認する

推定値と実際の単価がずれる理由

キーワードプランナーで推定単価を確認する

Google広告に用意されているキーワードプランナーで、推定クリック単価を確認できます。

手順は次のとおりです。

1.Google広告のアカウントを作成する

2.ツールメニューからキーワードプランナーを開く

3.「検索のボリュームと予測のデータを確認する」を選ぶ

4.自社が狙うキーワードを入力する

5.月間検索ボリュームと推定クリック単価を確認する

確認するのは、月間検索ボリュームと、推定クリック単価の2つの数値です。

確認する数値分かること
月間検索ボリュームそのキーワードで獲得できるクリック数の上限
推定クリック単価1クリックあたりにかかる費用の目安

実際の検索結果から競合の出稿状況を確認する

ツールで確認できる数値だけで判断せず、実際の検索結果も確認しましょう。自社が狙うキーワードを検索し、競合広告の数や内容を把握することで、入札競争の状況をより具体的に把握できます。

確認するポイントは次の3つです。

確認すること判断できること
広告が何件表示されているか広告が多いほど競合が多く、単価が上がりやすい
どんな企業が出稿しているか大手が並ぶなら入札額の水準が高い
広告文の訴求内容競合がどんな条件を打ち出しているか

広告が1件も表示されないキーワードもあります。競合が少なく低単価で出稿できる可能性がある一方、検索需要そのものが少ないケースも考えられます。広告の有無だけで判断せず、検索ボリュームとあわせて出稿価値を見極めることが大切です。

推定値と実際の単価がずれる理由

キーワードプランナーなどで確認できるクリック単価は、あくまで予算を考える際の目安です。実際の配信では、競合状況や時期によって単価が変動するため、推定値と差が生じることがあります。

主な理由は次の3つです。

理由内容
過去データに基づく推定値は過去の実績から算出されるため、現在の競合状況を反映しない
競合の参入新たな広告主が入れば単価は上がる
季節要因需要期には入札が集中し、単価が上がる

配信開始後は、推定値ではなく実際の平均クリック単価を確認して予算を調整しましょう。最初の2週間程度は実測値を確認し、その後の予算計画に反映する前提で考えると、想定外の費用増加を抑えやすくなります。

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「出せる金額」と「判断できる金額」は違う

リスティング広告は、少額からでも出稿できます。ただし、予算を抑えればよいとは限りません。配信量が少なすぎると、クリックやコンバージョンのデータが集まらず、広告の良し悪しを判断できないまま終わる可能性があります。

少額配信で実際に起きること

検証に必要なクリック数から初期予算を逆算する

相場をそのまま自社に当てはめてはいけない理由

少額配信で実際に起きること

リスティング広告の予算が小さいと、配信量が限られ、十分なデータを集められない場合があります。たとえば、次のような状態です。

起きること内容
1日の配信が早々に止まる日予算に達した時点で表示されなくなる
配信される時間帯が偏る早い時間帯に予算を使い切り、夕方以降に出なくなる
クリック数が溜まらないキーワードごとの良し悪しが判断できない
CVが発生しない成果が出ていないのか、母数が足りないだけなのか分からない

最も問題なのは4つ目です。

特に注意したいのが、CVが発生しないケースです。たとえば月5万円で配信してCVが0件だったとしても、キーワードやLPに問題があるのか、単純にクリック数が不足していたのかは判断できません。

「安く試す」ことが、結果的に「十分なデータを得られないまま費用だけを使う」状態につながる点に注意が必要です。

検証に必要なクリック数から初期予算を逆算する

判断材料が得られる量から、必要な予算を逆リスティング広告の初期予算は、「いくら出せるか」ではなく、判断に必要なデータ量から逆算しましょう。たとえば、判断に必要なCVを10件、想定CVRを2%、推定クリック単価を300円とします。この場合、10件のCVを得るには500クリックが必要です。500クリックに300円を掛けると、必要な予算は15万円になります。

この15万円が、今回の条件における「判断できる金額」です。月15万円なら約1か月、月10万円なら約1.5か月、月5万円なら約3か月で必要なクリック数に達する計算です。

少額に抑えるほど検証期間は長くなるため、予算と検証期間の両方を考えて判断することが重要です。

予算が確保できないときの現実的な選択肢

必要な予算を確保できない場合は、対象や期間を見直したうえで出稿の可否を判断します。現実的な選択肢は、以下の3つです。

・対象を絞る

・期間を延ばす

・出稿を見送る

特に検討したいのが対象の絞り込みです。全国配信を1都道府県に限定したり、20語のキーワードを5語に絞ったりすることで、限られた予算でも狙った領域に集中できます。

月額を抑えて検証期間を延ばす方法もあります。ただし、成果を判断できるまでの期間が長くなる点には注意が必要です。

出稿を見送ることも正当な選択肢です。検索需要が小さい商材や、クリック単価に対して粗利が薄い商材では、リスティング広告以外の施策に予算を回すほうが合理的な場合があります。

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投じた広告費はどこに消えているのか

リスティング広告の費用を抑える前に、まず「どこに広告費が使われているのか」を確認する必要があります。費用が一部のキーワードや検索語句、特定の時間帯・エリアに偏っているケースも珍しくありません。

成果につながっていない部分を把握できれば、無駄な配信を見直し、限られた予算を成果の出やすい領域へ振り分けられます。ここでは、広告費の行き先を確認するポイントと具体的な手順を紹介します。

成果につながっていないキーワードへの配信

意図と違う検索語句へのクリック

配信面・時間帯・デバイスの偏り

費用の行き先を確認する手順

成果につながっていないキーワードへの配信

リスティング広告では、配信開始後に一部のキーワードへ費用が集中することがあります。その中には、クリックは集まっているものの、コンバージョン(CV)につながっていないキーワードが含まれる場合もあります。

確認する際は、管理画面でキーワードごとの費用とCV数を並べ、費用の多い順に確認しましょう。

状況内容
一部のキーワードに費用が集中する上位数語で費用の大半を使っている
そのうち成果が出ているのはさらに一部費用は使っているがCVがゼロの語句が混ざる

費用を多く使っているにもかかわらずCVが発生していないキーワードは、優先的に見直したい対象です。 配信停止や入札調整などを行い、成果につながるキーワードへ予算を振り分けます。

意図と違う検索語句へのクリック

登録したキーワードと、実際にユーザーが検索した語句は必ずしも一致しません。マッチタイプによっては、登録キーワードの関連語や表記の揺れにも広告が表示されます。

登録キーワード実際に検索された語句の例
経費精算 システム経費精算 やり方/経費精算 とは/経費精算 テンプレート

「システムを探している人」ではなく「やり方を知りたい人」にも表示されている状態です。

確認は検索語句レポートで行います。管理画面で、実際にどんな語句で検索されたかを一覧できます。

自社の商材と関係のない語句が並んでいれば、そこに使われている費用は成果につながりません。

配信面・時間帯・デバイスの偏り

キーワード以外にも、広告費が偏りやすいポイントがあります。時間帯・曜日・デバイス・エリアごとに、費用と成果のバランスを確認しましょう。

確認すること
時間帯深夜や早朝に費用が使われていないか
曜日土日に配信して成果が出ているか
デバイススマートフォンとPCで成果に差がないか
エリア対応できない地域に配信していないか

BtoB商材では、時間帯によって成果に差が出ることがあります。業務時間外のクリックが問い合わせにつながっていないケースもあるためです。

エリアも同様に確認したい項目です。全国配信のまま、対応対象外の地域からのクリックや問い合わせに広告費を使っているケースもあります。成果につながりにくい条件を特定し、配信設定を調整することで、無駄な費用を抑えやすくなります。

費用の行き先を確認する手順

広告費を抑えるには、まず「どこに費用が使われ、どの部分から成果が出ているか」を確認することが重要です。次の4つの軸でデータを整理します。

確認する順番確認する軸並べる指標
1キーワード別費用・クリック数・CV数・CPA
2検索語句別費用・クリック数・CV数
3時間帯・曜日別費用・CV数
4デバイス・エリア別費用・CV数

確認の頻度は、配信開始直後は週1回、安定後は月1回が目安です。

先に現状を把握したうえで、次章の改善策を選びましょう。現状を把握せずに打ち手だけを実行すると、効果のない改善に時間を使うことになります。

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費用が想定を超える3つのパターン

出稿前に知っておけば防げる内容です。

キーワードを追加して費用が膨らむ

競合の参入でクリック単価が上がる

マッチタイプ起因で想定外の検索に表示される

キーワードを追加して費用が膨らむ

運用を始めると、「このキーワードも追加したい」という判断が発生します。

対象を広げるほど、費用は増えます。当然のようですが、追加のたびに総額を確認していないケースが多く見られます。

状況起きること
キーワードを10語から30語に増やした配信対象が3倍に広がる
日予算はそのまま1語あたりの露出が薄まる、または予算が早く尽きる
日予算も増やした月額が想定を超える

対策は、追加時のルールを決めておくことです。

「キーワードを追加する場合は、既存のどれかを停止する」または「月額の上限を先に決め、その範囲内で追加する」。どちらかのルールがあれば、費用の膨張を防げます。

競合の参入でクリック単価が上がる

オークション制であるため、競合が増えれば同じ順位を維持する費用は上がります。

自社は何も変えていないのに、クリック単価が上昇し、同じ予算で得られるクリック数が減る。この現象は日常的に起こります。

確認する指標見るもの
平均クリック単価の推移上昇傾向にないか
インプレッションシェア表示機会をどれだけ取れているか
検索結果の画面新しい広告主が増えていないか

月1回、平均クリック単価の推移を確認してください。上昇が続いている場合、予算の見直しか、狙うキーワードの変更が必要です。

マッチタイプ起因で想定外の検索に表示される

配信開始直後に起こりやすいのが、想定していない検索への広告表示です。部分一致では、登録したキーワードと関連性があると判断された検索語句にも広告が表示されるため、意図しないクリックで広告費を消費する場合があります。

対策として、次の2つを行います。

対策内容
配信開始直後の頻繁な確認最初の2週間は検索語句レポートを毎日確認する
除外キーワードの先行設定明らかに関係のない語句を、配信前に除外しておく

「無料」「求人」「とは」「やり方」など、購買意図が低い検索語句は、あらかじめ除外キーワードに登録できます。配信後に無駄なクリックを減らすより、事前に除外できる語句を洗い出しておくほうが効率的です。

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リスティング広告の費用を抑える方法

リスティング広告は、設定を見直すことで無駄なクリックを減らし、限られた予算でも成果を高められます。重要なのが、不要な検索を除外すること、広告やLPの品質を高めること、配信条件を適切に絞ることです。

ここでは、除外キーワードの設定から広告費を抑えながら成果につなげる具体的な方法を解説します。

除外キーワードを設定する

広告の品質を上げてクリック単価を下げる

配信エリア・時間帯・デバイスを絞る

マッチタイプとキーワードの選び方を見直す

ランディングページを改善して同じ費用で成果を増やす

除外キーワードを設定する

検索語句レポートを起点に、成果につながらない語句を除外します。

除外すべき語句の例理由
「無料」を含む語句有料サービスの購買意図がない
「求人」「採用」を含む語句就職希望者であり顧客ではない
「使い方」「やり方」を含む語句情報収集段階で購買意図が薄い
競合の社名競合を探しているユーザー

判断の基準は、費用を使っているのにCVがゼロかどうかです。

ただし母数に注意してください。クリックが3件でCVゼロでも、判断材料にはなりません。目標CPAの2〜3倍の費用を使ってCVゼロなら、除外を検討する目安になります。

広告の品質を上げてクリック単価を下げる

品質が上がれば、同じ順位をより低い単価で維持できます。

改善の方向は3つです。

改善対象やること
広告文とキーワードの関連性登録キーワードの言葉を広告文に含める
推定クリック率検索意図に合った訴求にする
ランディングページ広告で伝えた内容をLPのファーストビューに置く

最も手を付けやすいのは1つ目です。1つの広告グループに関連性の低いキーワードが混ざっていると、どのキーワードでも品質が上がりません。

グループ内のキーワードを整理し、広告文と言葉を揃えてください。

配信エリア・時間帯・デバイスを絞る

成果が出ていないセグメントへの配信を止めるだけで、費用は下がります。

調整の例
エリア対応できない地域への配信を停止する
時間帯成果の出ていない時間帯の入札を下げる
曜日BtoB商材なら土日の配信を抑える
デバイス成果の悪いデバイスの入札を調整する

いきなり停止せず、まず入札を下げる調整から始めてください。停止すると、その区分のデータが取れなくなります。

マッチタイプとキーワードの選び方を見直す

キーワードの選び方で、費用効率は大きく変わります。

見直しの観点内容
顕在キーワードに絞る「比較」「料金」「見積もり」など購買意図の強い語句を優先する
ロングテールも狙う検索数は少ないが競合が少なく、単価も低い
マッチタイプを調整する立ち上げ期は完全一致・フレーズ一致を中心にする

検索ボリュームが大きいキーワードほど良いわけではありません。

月間検索数が1万のキーワードで、単価500円のクリックを買うとします。月間検索数が100でも成果に近いキーワードで単価100円のクリックを買うほうが、費用効率は高くなります。

ランディングページを改善して同じ費用で成果を増やす

クリック単価を下げるのとは別のアプローチです。同じクリック数から得られる成果を増やします。

試算で比較します。

打ち手クリック数CVRCV数CPA
現状5002.0%10件15,000円
クリック単価を10%下げる5552.0%11件13,600円
CVRを2倍にする5004.0%20件7,500円

CVRの改善のほうが、効果が大きくなります。

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自社で運用する場合と任せる場合の費用差

自社で運用するかどちらを選ぶべきかという判断は、別の観点が必要です。

運用を任せると広告費に上乗せされる金額

自社運用でかかる見えない費用

運用を任せると広告費に上乗せされる金額

代理店に運用を依頼する場合、広告費とは別に手数料が発生します。

項目相場の目安
運用手数料広告費の20%前後
最低手数料月5〜10万円程度に設定されている場合がある
初期設定費発生する場合と、しない場合がある

注意が必要なのは、少額配信時の比率です。

広告費手数料(20%)総額に占める手数料の比率
50万円10万円16.7%
20万円4万円16.7%
10万円最低手数料10万円が適用された場合50%

最低手数料が設定されている場合、広告費が少額なほど手数料の比率が上がります。

当社の運用代行は手数料15%から、または月額100,000円からの設定です。

自社運用でかかる見えない費用

手数料が発生しない代わりに、別のコストが生じます。

費目内容
担当者の工数アカウント設定・日次の確認・改善作業
学習の時間仕組みの理解、管理画面の操作習得
判断の遅れによる損失気づくのが遅れた分の無駄な配信

工数を金額に換算してください。

担当者の時間単価を5,000円と置き、月20時間を運用に充てるなら、月10万円相当のコストが発生しています。手数料20%で広告費30万円なら6万円ですから、自社運用のほうが高くつく計算になります。

この換算をせずに「自社でやれば無料」と考えると、判断を誤ります。

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費用について検討段階でよくある質問

ここでは、費用について検討段階でよくある質問について回答していきます。

月5万円程度の予算でも出稿できますか

同じ人に何度もクリックされても費用は発生しますか

費用相場より少ない予算しか用意できない場合はどうすべきですか

月5万円程度の予算でも出稿できますか

出稿は可能です。媒体側に最低出稿金額の設定はありません。

ただし、キーワードとエリアを絞ることが前提になります。全国配信で20語のキーワードを狙うと、露出が薄まりデータも溜まりません。判断材料が得られる量になるかは、第6章の逆算で確認してください。仮の条件では、月5万円の場合に判断まで約3か月かかる計算になります。

同じ人に何度もクリックされても費用は発生しますか

媒体側に、無効なクリックを検出する仕組みが用意されています。

不正な目的での繰り返しクリックなど、無効と判断されたクリックについては課金の対象外となる扱いが示されています。

過度に心配する必要はありませんが、明らかに不自然なクリックが確認できた場合は、媒体のサポートに相談してください。

費用相場より少ない予算しか用意できない場合はどうすべきですか

相場は目安にすぎません。自社のキーワード単価と目標から必要額を出すのが正しい順序です。

第5章の手順で自社の推定クリック単価を調べ、第6章の逆算で検証に必要な予算を算出してください。その金額が確保できない場合は、対象を絞って集中投下するか、他の施策を検討することになります。出稿を見送る判断も、正当な選択肢です。

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まとめ|リスティング広告の費用は相場ではなく自社の数値で決める

相場の数字を調べても、自社の適正額は分かりません。費用が決まる仕組みを理解し、自社のキーワードで実数値を出すことが答えへの近道です。

最後に、今週やることを3つに絞ってお伝えします。

・狙うキーワードを5〜10個書き出す

・キーワードプランナーで推定クリック単価を確認する

・判断に必要なクリック数から初期予算を逆算する

この3つが終われば、出稿するかどうかを根拠を持って判断できます。

初期予算の算出や、出稿の可否の判断でお困りの場合は、WINDOMへのご相談をご活用ください。媒体の運営会社でもツールベンダーでもないため、出稿を見送るべき場合はその判断もお伝えします。

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